だれも知らない喫茶店のはなし

昭和レトロな喫茶店・店主による雑記帳

ギャルソンのエプロンはなぜ黒い?

勤勉で頑丈なカラダを持つ

フランス・オーヴェルニュ出身の人々は、

パリのアパルトマンの階段をのぼり、

各家庭の戸口までセーヌ河の水を運ぶことを仕事としました。

次に彼らが手掛けた商売が炭のデリバリー。

炭屋はストック場所を必要とするため、

家賃の割安な裏通りに店を構えます。

その軒先で提供したのが1杯のコーヒー。

炭屋の片手間で始まったコーヒーの立飲みスタイルは、

やがてパリの誰しもがアラビアの高貴な香りを

気軽に楽しめるその先駆に。

今でもカフェで給仕をするギャルソンのエプロンが

黒い理由は、そんな炭屋の名残だとも言われています。